Japanische Klassiker mit Furigana
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いっぽんのはな
一本の花
宮本 百合子
Lesen Sie 一本の花 (いっぽんのはな) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 26.709 Zeichen · 55 Bildschirme
笑われて、伊田は、耳の後をかいた。二日ばかり前、或る対校野球試合が外苑グランドであった。伊田は、午後から帯封書きをすてて出かけて行った。自分にそんな興味も活気もなく、毎日九時から四時までここに坐って日を過す外、暮しようのない矢崎は、それでも他の者がそんなことをすると、甚だ不機嫌になった。彼は、それを根にもって一日でも二日でも、口を利かなかった。
「どの位断って来ました」
朝子が伊田に訊いた。
「今度はそんなに沢山じゃありません。五十位なもんでしょう」
「去年からでは、でも千ばかり減りましたね。……田舎のひとだって、この頃は婦人雑誌どんどんとるんだから、断るのが自然ですよ。比べて見れば、誰だってほかの雑誌がやすくって面白いと思うんだもの」
一円本の話が出て、それに矢崎も加わった。
「娘がやかましく云うんで、小学生全集をとっているんですが、一体あんなものはどの位儲かるもんでしょうな……」
「社でも何か一つとってくれないかな、そうすると僕たち助かっちゃうんだが」
「矢崎さん、いかが? それ位のこと出来ませんか」
「さあ」
伊田が、
「金欠か」
と呟いた。
いきなり朝子が、