Japanische Klassiker mit Furigana
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ひとすじのなわ
一条の縄
宮本 百合子
Lesen Sie 一条の縄 (ひとすじのなわ) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 5.201 Zeichen · 11 Bildschirme
ね? 見えるでしょう ホラ! 彼那にキラキラして居る――
「どれ? どこに光ってるって?
ちっとも私の所からじゃ見えない。
「駄目ねえ、じゃもっと此方へ来て御覧なさいよ。
ほらね、見えるでしょう?
御覧なさい、彼那に光ってるじゃあないの。
雄鴨は、危険なものに立ち向った時に、いつでもする様に体をズーッと平べったくし、首丈を長々とのばして、ゆるい傾斜の畑地の向うに、サラ……と音を立てて行く光ったものを見つめた。
「なあんだ、
フフフフなあんだお前水だよ。水が流れてる丈だよ
すっかりおどかされちゃった。
「まあそうなの? 流れてるの、水が?
ほんとにいやあね何だろう私。
そんならよかったわねえ私は又何かと思った。
「うまい工合だね一寸遊んで行こうよ、好いだろう。
「ええ、丁度おあつらえだわ。
二羽は、重い羽音を立てて飛び込んだ。
サラサラした水は快く彼等の軟い胸毛を濡して、鯱鉾立ちをする様にして、川床の塵の間を漁る背中にたまった水玉が、キラキラと月の光りを照り返した。
バシャバシャと云う水のとばしる音、濡れそぼけて益々重くなった羽ばたきの音、彼等の口から思わずほとばしり出るよろこびの叫び。