Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ひとつぶのあわ

一粒の粟

宮本 百合子

Lesen Sie 一粒の粟 (ひとつぶのあわ) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 3.083 Zeichen · 7 Bildschirme

Aozora Bunko

私共が努力しなければならない事は、今年やって来年になれば如何うでもいい事ではない筈なのだ。私共の魂に吹き込まれて生れて来たものが其を命じ、その命令の、その意向の絶大であると信ずるものによって動かされたいと思う。

尊敬すべき農夫は、決して土をうなう手練の巧妙と熟達とを、仲間に誇ろうとはしないだろう。土を鋤く事は、よい穀物を立派に育てる為なのだと云う事を知っているのだ。

○

私が去年の夏行っていた、或る湖畔には、非常に沢山黒人がいた。白い皮膚を持った人々が彼等をどんなに待遇するか、どんな心で彼等を見ているか。

解放された奴隷は、又解放された奴隷として彼等の子を遺して行く。多くの人が心の中でいやに思っている。或る時は、如何うにかなれ、と呟くかもしれない。然し、嫌われながら彼等は殖えて行く。後から後からと生れて来る。自分がいやでも、ひとがいやでも、彼等は生きずにはいられないのだ。

水浴をする黒坊

水浴をする黒坊。

八月の日は光り漣は陽気な忍び笑いに肩を揺ぶる――青天鵞絨の山並に丸く包まれた湖は、彼等の水槽。

チラチラと眩ゆい点描きの風景、魚族のように真黒々な肌一杯に夏を吸いながら、ドブンと飛び込む黒坊――躍る水煙、巨大な黒坊、笑う黒坊、蛙のような黒坊。