Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ひとあしおさきに

一足お先に

夢野 久作

Lesen Sie 一足お先に (ひとあしおさきに) von 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 40.200 Zeichen · 79 Bildschirme

Aozora Bunko

そのたんびにビックリして眼を醒ますと、タッタ今痛んだばかしの足が見えないので、二度ビックリさせられた事が何度あったか知れません。ハハハハハ」

「……僕は……僕はきょう初めてこんな夢を見たんですが……」

「ハハア。そうですか。それじゃモウ治りかけている証拠ですよ。もうじき義足がはめられるでしょう」

「ヘエ。そんなもんでしょうか」

「大丈夫です。そういう順序で治って行くのが、オキマリになっているんですからね……青木院長が請合いますよ。ハッハッハ」

「どうも……ありがとう」

「ところがですね……その義足が出来て来ると、まだまだ気色のわりい事が、いくらでもオッ始まるんですよ。こいつは経験の無い人に話してもホントにしませんがね。大連みたような寒い処に居ると、義足に霜やけがするんです。ハハハハハ。イヤ……したように思うんですがね。……とにかく義足の指の先あたりが、ムズムズして痒くてたまらなくなるんです。ですから義足のそこん処を、足袋の上から揉んだり掻いたりしてやると、それがチャント治るのです。夜なぞは外した義足を、煖房の這入った壁に立てかけて寝るんですが、大雪の降る前なぞは、その義足の爪先や、膝っ小僧の節々がズキズキするのが、一間も離れた寝台の上に寝ている、こっちの神経にハッキリと感じて来るんです。