Japanische Klassiker mit Furigana
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ひとあしおさきに
一足お先に
夢野 久作
Lesen Sie 一足お先に (ひとあしおさきに) von 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 40.200 Zeichen · 79 Bildschirme
伝いに逃走したものと見込みを付けているらしく、そんな方面の事を看護婦や医員に聞いておりましたそうです。私が来ました時にも官服や私服の連中が、屋根の上から、玄関のまわりを熱心に調査していたようです。
……一方に歌原家からは、身内の人が四五人駈け付けて来ましたので、その筋の許可を得て、夫人の死体を引き渡したのが、今から約三十分ばかり前の事ですが……むろん確かな事はわかりませんけれども、その筋では、余程大胆な前科者か何かと考えているらしく、敷布団の血痕や、雪洞型の電球蔽いに附着しているボンヤリした血の指紋なぞを調べながら「おんなじ手口だ」と云って肯き合ったり「田端だ田端だ」と口を辷らしていた……というような事実を聞きました。チョウド一週間ばかり前のこと、田端で同じような遣り口の後家さん殺があった事が、大きく新聞に書き立ててあったのですから、その筋では事によると、同じ犯人と睨んでいるのかも知れません。
……併し私はまだ、それでも不安心のように思っておりますうちに、丁度玄関で帰りかけている旧友の予審判事に会いましたので、私はいい幸いと思いまして、特に力強く証言しておきました。