Japanische Klassiker mit Furigana
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みっつのひふん
三つの悲憤
豊島 与志雄
Lesen Sie 三つの悲憤 (みっつのひふん) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 8.748 Zeichen · 18 Bildschirme
阮東が帰来した翌晩、三十人ばかりの匪賊を邸内で、謀略にかけて、半ば殺し半ば追い払ってから、阮東と范志清とは、その地方の人々を結合させることにかかりました。義勇民兵団が組織され、武器も次第に整備されました。幾度か匪賊の来襲もありましたが、それも大した損害がなくて撃退されました。
阮東の両親は相次いで病歿しました。阮東は一家の主人となってから、同族中の中敏という娘を范志清にめあわしました。そして次第に、一切の事を范志清に任せて、自らは本草学の研究に耽るようになりました。
范志清は時には無謀大胆で、そして常に勇敢で、威令を振いました。ところが或る日、湖水のほとりで、死体となって横たわっているのが、発見されました。背中に二ヶ所、銃弾を受けていました。
范志清の葬儀は、その民兵団の公葬となりました。阮東は、ただ沈鬱に黙々として、葬儀を主宰しました。
死体は、楠の大木のくりぬきの箱に、朱を塗って納められ、五寸ほどの厚みの楠の蓋が、鎹で留められました。墓地は、本人の姓名と生年月日とで占われることもなく、ただ阮東の見立てにより、湖水のそばの小高い丘の上に定められ、やがて、柩を埋めた上に煉瓦の廟を築くように準備されました。