Japanische Klassiker mit Furigana
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みっつのひふん
三つの悲憤
豊島 与志雄
Lesen Sie 三つの悲憤 (みっつのひふん) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 8.748 Zeichen · 18 Bildschirme
それから一年たち、二年たち、三年たつうちに、阮大人は阮東のことを口にするのを禁じてしまいました。けれど、口にしないだけに、想いは胸に深まっていったようで、めっきり老けてきました。それだけのことで、阮一家には、他に何の変りもありませんでした。ただ、近頃、その辺にも匪賊が侵入してきて、三ヶ月ほど前、数千金を奪ってゆかれた上、また、多額の金を、明晩までに要求されてるとのことでありました。そして阮大人は、何と思ってか、今晩、一家中で盛宴を催すとかで、そのために、張達は漁夫たちを指図して、湖水の美魚を捕えているのでありました。
「よいところへ帰っておいでになりました。天の思召しに依るのでございましょう。」と張達は涙ぐんだ眼を輝かせました。
そして張達の案内で、二人の騎士は、大きな阮家の門をくぐりました。
邸内にはいると、張達は俄に老年を忘れたかのように、駆け廻り、喚き立て、前後の筋途もなく饒舌り立てました。
豪族阮家の大勢の人たちが、急いで飛び出してきて、阮東と范志清とを取巻きました。阮東はその一人一人に向って、ただ黙って頭をさげました。それから、母親の胸には顔を埋め、父親の前には跪きました。