Japanische Klassiker mit Furigana
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さんにんのそうせいじ
三人の双生児
海野 十三
Lesen Sie 三人の双生児 (さんにんのそうせいじ) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 43.806 Zeichen · 87 Bildschirme
「ああアタケ、安宅と書くのでしょう。ああ、それですっかり分りました」
と、春子女史はいった。
「すると奥さまのお郷里は四国です。阿波の国は徳島というところに、安宅という小さな村があります。そこならサワ蟹だって、立葵だって沢山あります。ではあたくし、これから鳥度行って調べて参ります。四五日の御猶予を下さいませ」
女史の探偵眼はたいへん明快であった。どうして、そんな明快な答が出たのか妾には合点がゆかなかったけれど、彼女は別に高ぶる様子もなく、妾の故郷だという四国の安宅村へ、三人の双生児の実相を確めるために発足するといって辞し去った。妾は狐に鼻をつままれたように、女史を見送ったが、後になって一切が判明するまではこの女流探偵の神通眼は単に出鱈目だと思っていたのであった。
3
新聞広告を見て妾を尋ねてきた人の中で、第二にお話しておかなければならないのは、安宅真一という青年のことだった。その青年は、背が極く低くて子供ぽかった。身長五尺四寸に肥満性という女の妾と較べると、まるで十年も違う弟のように見えた。そして痩せている方ではなかったが、顔色は透きとおるように白く、捲くれたような小さい唇はほんのちょっぴり淡紅色に染まっているというだけであって、見るからに心臓に故障のあるのが知られた。