Japanische Klassiker mit Furigana
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さんにんのそうせいじ
三人の双生児
海野 十三
Lesen Sie 三人の双生児 (さんにんのそうせいじ) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 43.806 Zeichen · 87 Bildschirme
「まあ奥さま、あたくしどういたしましょう。真一さまのことで大騒ぎとなりましたので、忘れていましたが、実はあの夜あれからもう一度、あの方にお逢いしたのでございます」
そこで訊ねてみると、妾が寝室へ引取ってからものの五分と経たないうちに、彼の紳士はまた玄関に入って来たが今夜は逢わないという奥さまのお云付けを伝えるとそのまま帰った。しかし自分の名前を名乗りもせず、九月の始めになると、また当地を通るから、そのときに気が向いたら寄ろうなどと云ったそうだ。なんという不可解な紳士だろう。話をきくと、妾に好意を持っているようでいて、よく考えると行動の上に於て、この位怪しい人物はないと思われる。黙って殺人をして引取っていったとすると、これは実に大胆不敵な兇漢であるといわなければならない。妾を吃驚させるなんて――殺人者として妾の目の前に立って吃驚させるぞという悪党らしい遊戯かも知れない。
ただ腑に落ちないのは、妾にこの上なくよく似ているということである。静枝がよく似ていると自分でも思っているがキヨはそれよりももっとよく似ているという。未知の同胞を探していると公表したけれど、こう後から後へと妾によく似た人物が出て来たのでは、気味がわるくて仕方がない。