Japanische Klassiker mit Furigana
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さんにんのそうせいじ
三人の双生児
海野 十三
Lesen Sie 三人の双生児 (さんにんのそうせいじ) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 43.806 Zeichen · 87 Bildschirme
「貞雄さんが来たって?」
キヨからその知らせを聞いて、すぐ飛びだしかけたものの、もう七ヶ月目の腹を抱えた妾のことである。姙娠のことは手紙で知らせはしてあったものの、この醜態を自ら見せにゆくほどの勇気がなかった。
「ほう、随分見事な腹になったネ」
と貞雄は真面目な顔をして入ってきた。彼がそんなに取すましていなかったら、妾はいきなり怒鳴りつけたかもしれない。
「貞雄さん、一体これはどうして下さるの」
と、妾は思う仔細があって、つっかかって行った。
「いや、どうにでもするよ」
と貞雄はさりげなく答えながら、
「今度は君のためにいろいろと大きな土産を持って来たよ。どこか静かなところへ行って、ゆっくり話したいネ」
といって、例の静かな瞳をジッと妾の顔に据えた。妾にはそれ以上つっかかってゆく勇気を持ち合わさなかった。
彼はその日一日をわが家でブラブラしていたが、妾が何を云っても碌な返事をしなかった。その代り速水女史に呼ばれると、イソイソと彼女の後についていって、長い間部屋から出て来なかったりした。彼等はわざと注意をしているらしく二人の声は全く洩れてこなかった。
その翌日になると、貞雄は妾を伴って外へ出た。