Japanische Klassiker mit Furigana
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さんにんのそうまだいさく
三人の相馬大作
直木 三十五
Lesen Sie 三人の相馬大作 (さんにんのそうまだいさく) von 直木 三十五 (なおきさんじゅうご) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 32.603 Zeichen · 66 Bildschirme
女は、先に立って
「泊りだよう」
と、叫んだ。番頭が上り口へ手を突いて、お叩頭をした。
「厄介になるぞ、何程かの」
「へい、二十五文が、定ぎめで御座ります」
「よかろう」
「手前は、浪花講で御座ります、へい、おすすぎーッ」
「ひゃあーッ」
二
浪宿の慣らわしとして、三人の相客があった。侍は、床の間を背にして、固い褞衣の中から、白い手を出して、煙草を喫いつつ
「南町奉行附、直参、じゃが、ちと、望みがあっての」
「南町奉行附と申しますと――え、何かお召捕用で?」
「ま、そんなところだの」
廊下に、足音が聞えると、障子が、開いて十二、三の女の子が、三人
おばあ子、来るかやあと
鎮守の外んずれまで
出てみたば
と、叫んで、踊りながら、入ってきた。
「うるさい。もうええ」
客の一人が手を振った。
おばこ来もせで相馬の大作なんぞいかめ面。
「出てくれ」
と、一人が、一文銭を、抛出した。女の子は、次の部屋へ唄って行った。
「ほほう、相馬大作なんぞ、この辺で、唄になっているのかのう」
「ええ、えらい人気で、御座りましてな」
「何時時分に、何の辺に、おろうな、聞かんかの」
「一向に」
「わしは、その大作を追うているが――」