Japanische Klassiker mit Furigana
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さんにんのそうまだいさく
三人の相馬大作
直木 三十五
Lesen Sie 三人の相馬大作 (さんにんのそうまだいさく) von 直木 三十五 (なおきさんじゅうご) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 32.603 Zeichen · 66 Bildschirme
「大作を討取ったとは、ほんとか、入れ、入るがよい」
と、立ったままでいって、褥の上へ坐った。右源太は、縁側に、平伏しながら
「忝のう存じますが、旅着のまま、むさ苦しゅう御座りますゆえ、これにて――」
「首をもって戻ったか?」
「はっ、恐れながら」
右源太は、喘いでくる心臓、呼吸を押えて、酒浸しの布にくるんだ上を、油紙で巻いた首を、布の中から取出した。臭い臭いがした。曾川は眉を歪めながら、右源太の手許を見ていた。曾川の従者が、左右から、縁側から首を伸ばして、眺めていた。右源太は、油紙を一枚一枚剥いで、布をとり、綿をとって、蒼白くふくれて、変色している首を剥出した。
「やー、遠路ゆえ、面体損じておりまするが」
と、曾川の顔を見たくないので、俯いたまま、左手を添えて、首を差出して、平伏していた。
首は、睫毛は抜けていたり、脣の皮は剥けてしまっていたが、大作らしい面影は、十分に残っていた。
「何うじゃ」
と、曾川は、左右へ聞いた。
「そうで御座りましょう」
と、二三人が、答えた。
「女狩、何か、外に、証拠の品は?」
「外にと申しますと?」
「刀とか、懐中物とか」
「生憎く――御承知の如く、彼大作なる者は、十分に変装致しておりまして、手前、討取りまする節は、小者の姿でおりましたが――」