Japanische Klassiker mit Furigana
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さんにんのそうまだいさく
三人の相馬大作
直木 三十五
Lesen Sie 三人の相馬大作 (さんにんのそうまだいさく) von 直木 三十五 (なおきさんじゅうご) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 32.603 Zeichen · 66 Bildschirme
徳川二百年の間に、比類無き、放れ業をした関係から、目の当り、その志を聞いた人々は、身体を固くして、聴入っていた。
武者窓から覗き込んでいる小僧、町人、職人達は、耳を傾けたり、一心に大作の顔を、よく見ようとしたりしていたが、門人達の静粛なのを見て誰も、一言も口を利かなかった。
「昔、支那に、文天祥という人があった。その人の詩に、正気の歌というのがある」
大作は、こういって、見台の上の本を披いた。
二十九
女狩右源太は、詰所へ戻ってきて、押入れから、捕物の支度の入っているつづらを、引出した。
(皮肉なことをいやがる。どうも、俺より一枚上手らしい)
そう思って、脚絆、鎖鉢巻、鎖入りの襷、呼子笛、捕縄を取出した。
(何事も、眼をつむっているから、大作を、召捕って参れって――自分達は、命が惜しいものだから――)
足音がして、朋輩が入ってきた。
「右源太も行くのか?」
「うん」
右源太は、脚絆を当てていた。一人は、薄色の紬の羽織を脱いで、同心らしい、霰小紋の羽織に着更えた。
「いよいよ本物の大作だから、一つ、手並を見せて頂くとしよう。道場では、負けぬが、何んしろ、一度は、大作の首を上げた御仁だからの」