Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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さんじゅうねんごのせかい

三十年後の世界

海野 十三

Lesen Sie 三十年後の世界 (さんじゅうねんごのせかい) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 68.140 Zeichen · 137 Bildschirme

Aozora Bunko

「正吉までに会おうとは思わなかった。正吉をよく世話して下されて、お礼のことばもないですわい」

モウリ博士は、正吉の顔を穴のあくほど見つめる。そうでもあろう。正吉を冷蔵球の中に入れで日本アルプスの山中においたまま、約束の二十年後にその球を開いてやることも出来ず、今までそのままにしておいたのであるから、ここで正吉に会って博士がびっくりするのも無理ではない。

「正吉君との間には、積もる話があるでしょう。まあ、ゆっくりお話なさい」

と、隊長はいった。

「いや、話は山ほどあるが、そんなことをしていられないのじゃ」

「と、おっしゃると何か――」

「重大事があるから、わしは危険をもかえりみず、老衰した身体にむちうって駆けつけてきたのですわい。そのことだ、そのことだ。マルモ君早くこの土地をはなれないと、月人の大集団が、この宇宙艇を襲撃して、全員みな殺しになるよ」

「それはどうして――」

「分っているじゃないか。月人たちはトロイ谷のことをたいへん恨みに思っている」

「いつ来襲するのでしょうか、月人たちは」

「今、さかんに武器や空気服をそろえにかかっている。あと二、三時間たてば、かならずここに押しかけてくるだろう」