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Japanische Klassiker mit Furigana

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さんしろう

三四郎

夏目 漱石

Lesen Sie 三四郎 (さんしろう) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 169.765 Zeichen · 343 Bildschirme

Aozora Bunko

そうして落ちかかった日が、すべての向こうから横に光をとおしてくる。女はこの夕日に向いて立っていた。三四郎のしゃがんでいる低い陰から見ると丘の上はたいへん明るい。女の一人はまぼしいとみえて、団扇を額のところにかざしている。顔はよくわからない。けれども着物の色、帯の色はあざやかにわかった。白い足袋の色も目についた。鼻緒の色はとにかく草履をはいていることもわかった。もう一人はまっしろである。これは団扇もなにも持っていない。ただ額に少し皺を寄せて、向こう岸からおいかぶさりそうに、高く池の面に枝を伸ばした古木の奥をながめていた。団扇を持った女は少し前へ出ている。白いほうは一足土堤の縁からさがっている。三四郎が見ると、二人の姿が筋かいに見える。

この時三四郎の受けた感じはただきれいな色彩だということであった。けれどもいなか者だから、この色彩がどういうふうにきれいなのだか、口にも言えず、筆にも書けない。ただ白いほうが看護婦だと思ったばかりである。

三四郎はまたみとれていた。すると白いほうが動きだした。用事のあるような動き方ではなかった。自分の足がいつのまにか動いたというふうであった。