Japanische Klassiker mit Furigana
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あるくこと
三好十郎の仕事 第三巻
三好 十郎
Lesen Sie 三好十郎の仕事 第三巻 (あるくこと) von 三好 十郎 (みよしじゅうろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 334.472 Zeichen · 667 Bildschirme
娘 (前出)お晩でやす!
そめ お晩でやす。
娘 あら、婆さま、今帰り?(そめ返事せず。娘はベルを鳴らして追い抜いて行ってしまう)
鈴の音と下駄の音。……それが、かなり長いこと続いて、やがてユックリとなり、フッと停る。
そめ (ひとりごとの様に)つれえ事が有っても、なあ……(その言葉尻が涙声になり、やがて、すすりあげて泣き出す)
馬方 (遠くからガラガラと空車の車輪の音と馬のひづめの音と共に近づく。酔っているらしく、恐ろしく間伸びのした歌)イッサイコレワノ、パラットセと。はぁああ、伊達と相馬の、境の桜、ハハコレワノサ……こらやい、早く歩べ……ハイッサイコレワノ、パラットセと。はぁああ――誰だあ?(返事なし)え、おい? あれえ、シベリヤ婆さまでねえかよ。どうしたな、こんな所に?
そめ お晩で――
馬方 又、泣いてるだな、こねえな所で――チェッ、しょうのねえ婆さまだのう――だから、朝逢った時、あんだけ俺が言ってやったじゃねえかよ。シベリヤに居る息子は、役場に連れに行ったとて、どうならず? 無駄な事ぁ、はなっから、わかってんじゃねえかよ。それをさ、目え釣り上げて役場さ行っちゃ、日が一日サンザからかわれてよ、ガッカリして戻って来て、ここの橋の所まで来ると泣いてござら。