Japanische Klassiker mit Furigana
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おりき
三好十郎の仕事 第二巻
三好 十郎
Lesen Sie 三好十郎の仕事 第二巻 (おりき) von 三好 十郎 (みよしじゅうろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 119.279 Zeichen · 238 Bildschirme
……実は、その道具は、母が自分の父の所にかたづいて来る時に、母の母が――つまり私のおばあさんが、母に買ってくれたものだそうで、母は大事にしていましたが、自分が最後に富士見に見舞いに来た時に、呉れました。……だいぶ役に立ちましたが、……今度船に乗れば、多分、もう要らんだろう――いえ、持っていて、なくしても詰らないですから、おばあさんにあげるんです。チットも遠慮はいりませんから――
百姓 ……名前は何と言いやす?
青年 自分は藤堂と言います。
百姓 おふくろさんはえ?
青年 ……母はフサと言いました。
百姓 おフサさんかえ……ふむ……(マジマジとケースを見ている)見たからず……なんぼう、そんなに大きくなったお前さまを、おフサさん、見たからず。……へえ、母親の気持なんてもんは、どこの母親でも、同じだ。……いくつになっても……もうへえ、死んじまってからだっても……子供が学校に初めてあがった頃、学校へ行く子を門口から見ていてやるからと言って、小さくなるまで見送った、その姿あ、忘れねえもんだ。……ハハ(と涙をこぼしている自分を軽く笑い消して)いただいときやんしょう。そんなわけの物なら、尚の事、大事にして。