Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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みうらうえもんのさいご

三浦右衛門の最後

菊池 寛

Lesen Sie 三浦右衛門の最後 (みうらうえもんのさいご) von 菊池 寛 (きくちかん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 6.999 Zeichen · 14 Bildschirme

Aozora Bunko

しかし織田になっても武田になっても、氏元ほどの誅求はやるまいと皆が高をくくっているので、今川氏の盛衰を思うよりも、畔に植えた枝豆の出来栄えを気にしていた。その田の中には幅半間ぐらいの道がある。道に沿うて小さい溝が流れていて、底はいっぱいの泥で、この暑さでぶくぶくと泥が幾度も湧き上った。泥鰌がいる。いもりがいる。素っ裸の子供が、五、六人も集ってがやがやいっている。それは草を罠にしていもりを釣っているのである。不気味な朱色をしている小さい動物はいくつも溝の中から釣り上げられては土の上に投げつけられている。投げつけられるたびに、身体をもがく勢いが弱くなって、終いにどんなに強く投げつけられてもびくともしなくなる。するとまた新しい草を引きぬいて新しい罠をこさえる。子供の群の前後には、赤い腹を白い灰のような土の中に横たえた醜い小動物の死骸が、いくつもいくつもころがっている。

「高天神の城へはどう行くのじゃ」という鷹揚な声がした。子供は皆あわてたような顔をして、その声の主人公を見た。それは十七ばかりの少年であった。前髪を二つに分けた下から、美しい瞳が光っている。