Japanische Klassiker mit Furigana
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みうらろうじんむかしばなし
三浦老人昔話
岡本 綺堂
Lesen Sie 三浦老人昔話 (みうらろうじんむかしばなし) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 113.637 Zeichen · 224 Bildschirme
聴いている方では焦ったくなる。それが高じて、とう/\その「しらぬひ譚」の草双紙を借りて読もうということになって、お仙がそのお使を云い付かって、牛込辺のある貸本屋を入れることになりました。
どこの大名でも旗本でも下屋敷の方は取締りがずっと緩やかで、下屋敷ではまあ何をしてもいゝと云うことになっていました。殊にそれがお嬢さまの気保養にもなると云うので、下屋敷をあずかっている侍達もその貸本屋の出入りを大目に見ていたらしいのです。くどくも云う通り、お嬢様をはじめ、お附の女たち一同は生れてから初めて草双紙などというものを手に取ったので、先ず第一に絵が面白い、本文も面白い。みんな夢中になって草双紙の話ばかりしている。貸本屋の方では好いお得意が出来たと思って、色々の草双紙を持ち込んでくる。それでもまあ「田舎源氏」や何かのうちは好かったのですが、だん/\進んで来て、人情本などを持ち込むようになる。先ず「娘節用」が序開きで、それから「春色梅ごよみ」「春色辰巳園」などというものが皆んなの眼に這入って、お近さんまでが狂訓亭主人の名を識るようになると、若い女の多いこの下屋敷の奥には一種の春色が漲って来ました。