Japanische Klassiker mit Furigana
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みうらろうじんむかしばなし
三浦老人昔話
岡本 綺堂
Lesen Sie 三浦老人昔話 (みうらろうじんむかしばなし) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 113.637 Zeichen · 224 Bildschirme
清吉は今年十九で、色の白い、細面の粋な男で、こういう商売の息子にはおあつらえ向きに出来上っていたんですが、唯一つの瑕というのは身体に刺青のないことでした。なぜというのに、この男は子供のときから身体が弱くって、絶えず医者と薬の御厄介になっていたので、両親も所詮こゝの家の商売は出来まいと諦めて、子供の時から方々へ奉公に出した。が、どうも斯ういう道楽稼業の家に育ったものには、堅気の奉公は出来にくいものと見えて、どこへ行っても辛抱がつゞかず、十四五の時から家へ帰って清元のお稽古かなんかして、唯ぶら/\遊んでいるうちに、蛙の子は蛙で、やっぱり親の商売を受け嗣ぐようになってしまった。年は若し、男は好し、稼業が稼業だから相当に金まわりは好し、先ず申分のない江戸っ子なんですが、裸稼業には無くてならぬ刺青が出来ない。刺青をすれば死ぬと、医者から固く誡められているのです。
前にも申す通り、この時代の職人や仕事師には、どうしても喧嘩と刺青との縁は離れない。とりわけて裸稼業の駕籠屋の背中に刺青がないと云うのは、亀の子に甲羅が無いのと同じようなもので、先ず通用にはならぬと云っても好いくらいです。