Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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みうらろうじんむかしばなし

三浦老人昔話

岡本 綺堂

Lesen Sie 三浦老人昔話 (みうらろうじんむかしばなし) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 113.637 Zeichen · 224 Bildschirme

Aozora Bunko

梅の井の家内の者も門に出て、初めからそれを見ていたのですが、その時に家の女房、即ちお金のおふくろがなんの気なしに、「あゝ、清さんも好い若い者だが、ほんとうに刺青のないのが瑕だねえ。」と、こう云った。それがお金の耳にちらりと這入ると、これもなんだか赫として、自分の可愛い男に刺青のないと云うことが、恥かしいような、口惜いような、云うに云われない辛さを感じたのです。

二

勿論、清吉が堅気の人でしたら、刺青のないと云うことも別に問題にもならず、お金もなんとも思わなかったのでしょうが、相手が駕籠屋の息子だけにどうも困りました。お金のおふくろも固より悪気で云ったわけではない、ゆく/\は自分の娘の婿になろうという人を嘲弄するような料簡で云ったのではない、なんの気も無しに口が滑っただけのことで、それはお金もよく知っていたのですが、それでもなんだか口惜いような、きまりが悪いような、自分の男と自分とが同時に嘲弄されたように感じられたのです。それもおとなしい娘ならば、胸に思っただけのことで済んだのかも知れませんが、お金は頗る勝気の女で、赫となるとすぐに門口へかけ出して、幾らかおふくろに面当ての気味もあったのでしょう、「清ちゃん、なぜお前さんは刺青をしないんだねえ。