Japanische Klassiker mit Furigana
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みうらろうじんむかしばなし
三浦老人昔話
岡本 綺堂
Lesen Sie 三浦老人昔話 (みうらろうじんむかしばなし) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 113.637 Zeichen · 224 Bildschirme
門を這入って案内を求めると、おなじみの老婢が出て来た。いつもは笑って私を迎える彼女が、きょうは少し迷惑そうな顔をして、その返事に躊躇しているようにもみえるので、わたしは今更に後悔して、やはり門前から引返せばよかったと思ったが、もう何うすることも出来ないので、奥へ取次ぎにゆく彼女のうしろ姿を気の毒のような心持で見送っていると、やがて彼女は再び出て来て、いつもの通りにわたしを案内した。
「御用のお客様じゃないのでしょうか。お邪魔のようならば又うかゞいますが……。」と、わたしは遅まきながら云った。
「いいえ、よろしいそうでございます。どうぞ。」と、老婢は先に立って行った。
いつもの座敷には、あるじの老人と客の老女とが向い合っていた。老女はわたしの顔をみて、これも一種の不思議を感じたように挨拶した。停車場で出逢った話をきいて、三浦老人も笑い出した。
「はゝあ、それは不思議な御縁でしたね。むかしから雨宿りなぞというものは色々の縁をひくものですよ。人情本なんぞにもよくそんな筋があるじゃありませんか。」
「それでもこんなお婆さんではねえ。」
老女は声をあげて笑った。