Japanische Klassiker mit Furigana
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みうらろうじんむかしばなし
三浦老人昔話
岡本 綺堂
Lesen Sie 三浦老人昔話 (みうらろうじんむかしばなし) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 113.637 Zeichen · 224 Bildschirme
どうにか斯うにか長い日が暮れて、わたくしはほっとしました。併しこれから大切な役目があるのですから、どうしてなか/\油断はなりませんでした。わたくしはお風呂へ這入って、いつもよりも白粉を濃く塗りました。だん/\暗くなるに連れて、わたくしは自然に息が喘んで、なんだか顔が熱って来ました。照之助が来る――それが無暗に嬉しいのですが、なぜ嬉しいのか判りませんでした。自分のところへお婿が来る――その時には丁度こんな心持ではないかと思われました。お朝はいよ/\気分が悪くなったと云って、夕方からとう/\夜具をかぶってしまいました。ほかの女中――お竹とお清とは、前にも申した通りの山出しですから心配はありませんが、ただ不安心なのは留守居の侍の稲瀬十兵衛夫婦でございます。女房の方は病身で、その上に至極おとなしい人間ですから、あまり気を置くこともないのですが、夫の方は――これも正直一方で、眼先の働く人間ではありませんが、それでも一人前の侍ですから、うっかり気を許すわけには行きません。わたくしは唯それを心配していますと、その十兵衛は宵からどこへか出て行ってしまいました。