Japanische Klassiker mit Furigana
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みうらろうじんむかしばなし
三浦老人昔話
岡本 綺堂
Lesen Sie 三浦老人昔話 (みうらろうじんむかしばなし) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 113.637 Zeichen · 224 Bildschirme
人参
一
その日は三浦老人の家で西洋料理の御馳走になった。大久保にも洋食屋が出来たという御自慢であったが、正直のところ余り旨くはなかった。併しもと/\御馳走をたべに来たわけでないから、わたしは硬いパンでも硬い肉でも一切鵜呑みにする覚悟で、なんでも片端から頬張っていると、老人はあまり洋食を好まないらしく、且は病後という用心もあるとみえて、ほんのお附合に少しばかり食って、やがてナイフとフォークを措いてしまった。
「わたしには構わずに喫べてください。」
「遠慮なく頂戴します。」と、わたしは喉に支えそうな肉を一生懸命に嚥み込みながら云った。食道楽のために身をほろぼした今宮という侍に、こんな料理を食わせたら何というだろうかなどとも考えた。
「今お話をした今宮さんのようなのが其昔にもあったそうですよ。」と、老人はまた話し出した。「名は知りませんが、その人は大阪の城番に行くことになったところが、屋敷に鎧が無い。大方売ってしまったか、質にでも入れてしまったのでしょう。さりとて武家の御用道中に鎧櫃を持たせないというわけにも行かないので、空の鎧櫃に手頃の石を入れて、好加減の目方をつけて坦ぎ出させると、それが途中で転げ出して大騒ぎをしたことがあるそうです。