Japanische Klassiker mit Furigana
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みうらろうじんむかしばなし
三浦老人昔話
岡本 綺堂
Lesen Sie 三浦老人昔話 (みうらろうじんむかしばなし) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 113.637 Zeichen · 224 Bildschirme
又ある人は足洗い屋敷を省いて、津軽と松浦と消えずの行燈とをかぞえているようです。この七不思議を仕組んだものには「七不思議葛飾譚」という草双紙がありましたが、それには何々をかぞえてあったか忘れてしまいました。所詮無理に七つの数にあわせたのでしょうから、一つや二つはどうでもいゝので、その曖昧なところが即ち不思議の一つかも知れません。
そういうわけですから、置いてけ堀だって何処のことだか確かには判らないのです。御承知の通り、本所は堀割の多いところですから、堀と云ったばかりでは高野山で今道心をたずねるようなもので、なか/\知れそうもありません。元来この置いてけ堀というにも二様の説があります。その一つは、その辺に悪旗本の屋敷があって、往来の者をむやみに引摺り込んでいかさま博奕をして、身ぐるみ脱いで置いて行かせるので、自然に置いてけ堀という名が出来たというのです。もう一つは、その辺の堀に何か怪しい主が棲んでいて、日の暮れる頃に釣師が獲物の魚をさげて帰ろうとすると、それを置いて行けと呼ぶ声が水のなかで微かにきこえると云うのです。どっちがほんとうか知りませんが、後の怪談の方が広く世間に伝わっていて、わたくし共が子供のときには、本所へ釣に行ってはいけない、置いてけ堀が怖いぞと嚇かされたものでした。