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Japanische Klassiker mit Furigana

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さんりょうきょう

三稜鏡

佐左木 俊郎

Lesen Sie 三稜鏡 (さんりょうきょう) von 佐左木 俊郎 (ささきとしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 21.347 Zeichen · 42 Bildschirme

Aozora Bunko

娘の骨壺に納めてあるのは、実は娘の骨ではなく、犬の骨なのだから、改めて娘の身体の一部分をその骨壺に納めて、それから葬らなければならないのだった。それには、身体の一部分と云うと、当然、頭部を撰ぶべきであった。私は鋸でその首を切断して、その首が楽に這入るほどの大きな瓶にナフタリンと一緒に詰込み、更に白木の小さな箱棺に納め、女房の墓と並べて葬ったのであった。犬の骨壺の方は、壺は砕いて藪に捨て、骨は何れも細かなものばかりであったが、幾度にも持出して溝の中へ捨てたのであった。そして最後に残ったのは、既に首が無くなっている娘の死体であったが、次第に臭気が激しくなって来て、最早一日でもそのままにして置くことは危険になって来た。併し、そのままではとても持出すことが出来ないので、私は夜更けになってから、その胴体を更に鋸で八つに切断した。そして襤縷に包み、更に油紙に包んで八つの小包にしてリヤーカーの箱の底に詰め、その上へ三尺ばかりの高さの四体の人形を積んで掩隠した。矢張それでも完全に捨てて了わないうちは酷く焦燥していて容易に落着くことは出来なかったが、午後まで凝っと待っていて、午後の三時頃になってから私はそのリヤーカーを曳いて向島の方へ出掛けたのであった。