Japanische Klassiker mit Furigana
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さぶろうじい
三郎爺
宮本 百合子
Lesen Sie 三郎爺 (さぶろうじい) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 24.866 Zeichen · 50 Bildschirme
その、禁制の鐘を見ながら、やや暫く首を捻っていた彼は、何と思ったのか急にそわそわしだすと、堪らなそうに首をすくめてほくそ笑むなり、どこへか駆け出した。そして瞬く間に六七人の仲間を引きつれて来ると、一人が納屋から古俵を持ち出す、他の者が細引きを引きずり出す、枯木を集めるもの、火打石をさがすもの、見る見るうちに、何だかものものしい仕度が出来上った。
すると、皆が丸くなって「じゃんけん」をする、負けた一人が、本堂傍の梁へ吊るした古俵の中へゴソゴソと這い込むと、庭で枯木へ火をつけた一人が真剣な声を張りあげて、
「火事だぞーッ、火事あおっぱじまったぞー!」
と、いきなり怒鳴り始めた。
すると梁から下った俵の傍らに、和尚の杖の折れを握って立っていたのが、荘重な手つきで古俵を突く。
一つ突くとゴーンと鳴る。
二つ突つけば、ゴーンゴーンと二つ鳴り渡る。
三郎坊主の発議で、皆な火事の真似を始めたのである。もう五十何年かの昔、奥州の山中に火事などはめったにない。中には、火事がどんなものだか知らなかった子供さえいるのだから、これには皆な有頂天になった。そして、傍から燃火をドンドン加えながら、盛に、