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Japanische Klassiker mit Furigana

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さぶろうじい

三郎爺

宮本 百合子

Lesen Sie 三郎爺 (さぶろうじい) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 24.866 Zeichen · 50 Bildschirme

Aozora Bunko

に近づく階段で、もっと実際的に興味のある話は、たくさんあるに違いない。

けれども、どうしたものか、寺から戻って、二十二三までのことは、私の知っている範囲では、非常にざっとしている。

生れたときから、狸に腕を折られた彼としては、実際、簡単明瞭すぎる。彼に聞いても言わないし、周囲の者も知らない。

私はただ、箱屋へ一年半ほどいた後、漢法医の下男に入り、またそこを出てから、「屋大工」の年季に入ったことだけを聞き知っているのみである。

箱屋へ行ったのは、稼ぎを覚えるためである。漢法医の世話になったのは、工合の悪い右の肩が、時候の変り目、変り目にいたむのを手療治するためであった。

主人は親切な人だし、仕事は楽だし、手当てはしたいだけ出来るし、彼にとってはこの上ない処であるべきはずなのだが、ただ一つのことが、やがて彼をそこからも飛び出させてしまった。いくら下男でも、薬草刻みをするからには、医術の初歩を知らねばなるまいという、主人の親切気が、彼にとって蛇より化物より嫌いな書物をあてがわせたからである。

「何々の病気には、かれこれの草を煎じて服すべし。それでも利かざるときは、なお、何々を用うべし……。