Japanische Klassiker mit Furigana
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しゃんはい
上海
横光 利一
Lesen Sie 上海 (しゃんはい) von 横光 利一 (よこみつりいち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 145.628 Zeichen · 292 Bildschirme
参木は自分でタオルを解くと、泣いているお杉の乱れた髪を眺めていた。彼はお杉に黙って浴室から出ると服を着た。それから、彼は別室へ這入ってお柳を呼んだ。お柳は笑いながら這入って来ると、白々しいとぼけた顔で彼にいった。
「まア、随分今夜は遅かったわね。」
「遅いは遅いが、しかし、さっきはどうしたんだ。」
「何が?」
「いや、あのお杉さ。」と参木はいった。
「あの子は駄目よ。意久地が無くって。」
「それで、僕にひっつけようていうんかい。」
「まア、そうしていただけれや、結構だわ。」
参木は自分の戯れが間もなく女一人の生活を奪うのだと気がついた。彼がお杉を救うためには、お柳に頭を下げねばならぬのだ。だが、彼がお柳に頭を下げたら、なお彼女はお杉を抛り出すに定っているのだ。それなら、自分はどうすれば良いのだろう。参木は寝台の上からお柳の片手を持つと抱き寄せるようにしていった。
「おい、お柳さん、俺がこんなことをいうのは初めてだが、実は俺は、この間から死ぬことばかり考えていてね。」
「どうしてそんなに死にたいの。」とお柳はひやかすようにいった。
「どうしてって、まだ分らぬ柄でもないだろう。