Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
しゃんはい
上海
横光 利一
Lesen Sie 上海 (しゃんはい) von 横光 利一 (よこみつりいち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 145.628 Zeichen · 292 Bildschirme
彼女は黄包車に乗って大通りまで来ると、車を降りてなるたけ外人の通りそうなペーヴメントの上を、ゆるりゆるりと腰を動かしながら、ときどき、視線を擦違う男の面に投げかけ投げかけ、橋の袂の公園の方へ歩いていった。
しかし、行きすぎるもののうちで、昼間からお杉に視線をくれるようなものは誰もなかった。ときたまあれば、肉屋の大きな俎の向うの、庖丁を手にした番頭の光った眼か、足を道の上へ投げ出したまま、恐そうに阿片をひねっている小僧か、お辞儀ばかりしている乞食ぐらいの眼であった。
お杉は橋の袂まで来た。そこの公園の中では、いつものように各国人の売春婦たちが、甲羅を乾しに巣の中から出て来ていて、じっと静かにものもいわず、塊ったまま陽を浴びて沈んでいた。お杉もその塊りの中へ交ると、ベンチに腰かけて、霧雨のように絶えず降って来るプラターンの花を肩の上にとまらせつつ、ちょろちょろ昇っては裂けて散る噴水の丸を、みなと一緒にぼんやりと眺めていた。すると、女たちの黙った顔の前で、微風が方向を変えるたびに、噴水から虹がひとり立ち昇っては消え、立ち昇っては消えて、勝手に華やかな騒ぎをいつまでも繰り返していくのだった。