Japanische Klassiker mit Furigana
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ふざいじぬし
不在地主
小林 多喜二
Lesen Sie 不在地主 (ふざいじぬし) von 小林 多喜二 (こばやしたきじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 69.990 Zeichen · 141 Bildschirme
」――所謂社会的な地位のある人は、案外表へ出ることを嫌う。そこを衝いてみる必要がある――阿部も伴もその事を考えていた。
差押えを受けてから、小作人もちがってきた。「モウ親も子もあるもんか。」――一番おとなしい小作さえ口に出して云った。
――小作は毎日毎日の飯米にさえ困った。納屋には米俵がつまさっている。何十俵も積まさっている。何十俵という米俵が積まさっていて、そして飯が食えなかった。
「少しでも手をつけると罪人だぞ。」
巡査が時々廻ってきた。まるで岸野から言伝って来たようだった。――小作人は「罪人」と云われると、背中がゾッとした。
H町からの帰り、母親と由三が薄暗くなったのを幸いに、所々の他人の畑から芋や唐黍を盗んできた。――前掛けの端を離すと、芋、唐黍、大根が一度に板の間にゴトンゴトンと落ちた。
「兄ちゃさも、恵にも云うんでねえど!」
家のなかに上ると、母親はさすがにグッたりした。――とうとう泥棒をしてしまった、と思った。
「……んでも泥棒させるのは、岸野さんだ。……ええワ、ええワ!――何アに……。」
横坐りになると、そのまま何時迄もボンヤリした。
「母、俺ら学校の帰り何時でも取ってくるか?――由何んぼでも、見付からないように盗れるワ。