Japanische Klassiker mit Furigana
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ふざいじぬし
不在地主
小林 多喜二
Lesen Sie 不在地主 (ふざいじぬし) von 小林 多喜二 (こばやしたきじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 69.990 Zeichen · 141 Bildschirme
――※の荒物屋からは、どんな小作も「店借り」をしている。
一年のうち、きまった時しか金の入らない百姓は、どうしても掛買しか出来ない。それに支払は年二回位なので、そこをツケ目にされた。現金なら五十銭に売り、しかもそれで充分に儲けているものを「掛」のときには五十七、八銭にする。どの品物もそうする。小作人はそれが分っていて、どうにも出来ず、結局そこから買わなければならなかった。――※は三年もしないうちに、メキメキと「肥えて」行った。
蜘蛛の巣を思わせる様に、どの百姓も皆※の手先にしっかりと結びつけられ、手繰り寄せられている。
村に「信用購買販売組合」が出来てから、※との間に問題が起った。――今迄とは比べものにならない程安く品物が買えるので、小作人は「組合」の方へドシドシ移って行った。と、※はだまってはいない。――若し「組合」の方へ鞍替するような「恩知らず」がいたら、前の借金がものを云うぞ、と云い出した。人のいい小作達は、そう云われて、今迄あんなに気儘に借金をさせて貰ったのに、それは本当に忘恩なことだ、と思った。
※は小作人が金が払えないと、米や雑穀でもいいと云った。