Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
ふざいじぬし
不在地主
小林 多喜二
Lesen Sie 不在地主 (ふざいじぬし) von 小林 多喜二 (こばやしたきじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 69.990 Zeichen · 141 Bildschirme
「で、順々に一人ずつ、奥でお会いするそうだから。」
そう云うと、皆の中から、
「吉本さん、吉本さん!」と、中腰をあげて、伴が呼んだ。
「色々と地主さんに聞いて貰わなけアならない事もあるし、又皆に話して貰わなけアならない事もあるし、是非一つここで……。」
「それア出来ないんだ。」
皆は急にガヤガヤ話し出した。
「ア、皆そうやっちゃ駄目だ。――静まってけれ!」
吉本が一生ケン命制した。「今度のお出は、そんな面倒なことは一切抜きにしたものだから、それは又何時かの機会にして貰いたいんだ。――頼む!」
「そうだ、そうだ、伴さん、酒席でもあるしな。」
小作のうちで、そう云うものもいた。
「どうだ! 健ちゃ、分るべ。」
めずらしく阿部も興奮していた。
「一杯食わせやがったんだね。――阿部さん、会った時やったらええでしょうさ。」
「会った時? 一人と一人でか?――駄目、駄目! ちりちりばらばらだからな。」
「……………」
健は何か不服だった。「お会い」するのは、ただ顔をみて「まア、しっかりやってくれ」というだけだった。――じゃ、その機会をつかもう、健はそう思った。
二枚重ねた座蒲団の上に、物なれたゆるい安坐をかいて、地主が坐っているのを見ると、外で見たときとはまるで異った――岸野の存在がその部屋一杯につまって、グイと抑えつけているように