Japanische Klassiker mit Furigana
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ふざいじぬし
不在地主
小林 多喜二
Lesen Sie 不在地主 (ふざいじぬし) von 小林 多喜二 (こばやしたきじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 69.990 Zeichen · 141 Bildschirme
と「農村」は何処まで行っても敵、味方ではないのだ。ただ、今の世の中のしくみがそうさせているので、で、そのように見えているだけだ。
岸野のことでは面白く話してくれた。――仮りにS村から年五千円上がるとすると、彼奴はそれをまず拓殖銀行に預金する。(一番上品に、知らん振りをしているが、「銀行」というものこそ、百姓の咽喉をしめる親方の総元締であることを見ている百姓が一人でもいるか!)――すると、その金は拓殖銀行から、又農業資金として、年賦貸付になって出て行く。それを直接借りるのは自作農か※のようなものだ。※が時々H町へ行くのは何んのためだか、知っているか。あれは銀行から、年一割位で金を借りて、それを今度は困っている小作に、月三分か四分で貸してやるためなのだ。――だから※は他人の金を右から左へ持って行っただけで、三分にして年三割六分、全く無償で二割六分(二割六分!)も儲けているのだ。――その金が、先きにS村から小作料として取り上げた金であってみれば、同じ小作は同じ金で、二回も搾り上げられていることになる。
岸野はその外に拓殖銀行から株の配当金を受取る。その金が矢張り、何処からでもない、農村から掻き集めて来た金でないか。