Japanische Klassiker mit Furigana
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ふしぎなしま
不思議な島
Lesen Sie 不思議な島 (ふしぎなしま) von Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 6.348 Zeichen · 13 Bildschirme
臨時の大市は一年に三度、――一月と四月と九月とに立ちます。殊に一月は書入れの市ですよ。」
僕「じゃ大市の前は大騒ぎですね?」
老人「大騒ぎですとも。誰でも大市に間に合うように思い思いの野菜を育てるのですからね。燐酸肥料をやる、油滓をやる、温室へ入れる、電流を通じる、――とてもお話にはなりません。中にはまた一刻も早く育てようとあせった挙句、せっかく大事にしている野菜を枯らしてしまうものもあるくらいです。」
僕「ああ、そう云えば野菜畑にきょうも痩せた男が一人、気違いのような顔をしたまま、『間に合わない、間に合わない』と駈けまわっていました。」
老人「それはさもありそうですね。新年の大市も直ですから。――町にいる商人も一人残らず血眼になっているでしょう。」
僕「町にいる商人と云うと?」
老人「野菜の売買をする商人です。商人は田舎の男女の育てた野菜畑の野菜を買う、近海の島々から来た男女はそのまた商人の野菜を買う、――と云う順序になっているのです。」
僕「なるほど、その商人でしょう、これは肥った男が一人、黒い鞄をかかえながら、『困る、困る』と云っているのを見ました。