Japanische Klassiker mit Furigana
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アリゾナのめとら
世界怪奇実話II
牧 逸馬
Lesen Sie 世界怪奇実話II (アリゾナのめとら) von 牧 逸馬 (まきいつま) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 45.877 Zeichen · 91 Bildschirme
B説――いや、そうではあるまい。水の漏る箇所が出来たか、或いは、浪が高くなって甲板上の開いた船艙から浸水し、そのために、そっくり船の形のままで沈没したに決まってる。だから、破片や屍体が一つも浮かばないのだ。
C説――それならば、クラン・マッキンタイア号の報告した大暴風雨を受けて、あっという間に安定を失い、忽ち覆伏したものと考えるのが一番簡単ではないか。殊に、今度の第二回の航海に出るに当り、処女航海の経験に徴してワラタ号の船長は、非常に船の安定を気にしていたという事を思い合わすならば、此の想像は最も妥当性のあるものとなる。
この解釈が一般に行われて、今もそういうことになっているのだが、しかし、此れは何処までも、クラン・マッキンタイア号の報告するような大暴風雨が事実あったものということを前提にしての話しである。尤もワラタ号は「頭の重い」気味があって、何うかすると非道く動揺し易い傾向の船だったことは、色いろ証拠が残っている。荷物も、うんと積んでいたらしい。で、荒海を食らって揺れが激しくなる。船艙の荷物が動いて片方へ寄る。こうなると傾斜は直らないところへ、益ます猛烈に浪をかぶる。