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Japanische Klassiker mit Furigana

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アリゾナのめとら

世界怪奇実話II

牧 逸馬

Lesen Sie 世界怪奇実話II (アリゾナのめとら) von 牧 逸馬 (まきいつま) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 45.877 Zeichen · 91 Bildschirme

Aozora Bunko

といった形式のものである。全く今でも、ワラタ号の人々は何処か絶海の孤島に生きていて、理想的な小さな共和国でも作っていると思っている、物語的な人があるかも知れない。沈黙の水平線上に、人は自由にロマンスを描く――雲の峰のように。

過去百数十年間にさえ、大小二十余隻の軍艦や汽船が、何らの手掛りなく海上に消え失せているが、これら海の怪異の記録の中でも、斯うしてワラタ号事件は比較的最近の出来事であり、当時の事情其の他から観て、実に独自な位置を占めているのだ。

以下少しダブるが、全経過をもう一度詳述してみる。

S.S. Waratah は、英国青錨汽船会社―― The Blue Anchor Line ――所属の、会社自慢の一等船で、遠洋向き客貨物船だった。バアクレイ・カアル造船会社によって、クライド船渠で建造された。船体の各部、設備とも、凡べて船主であるB・A・Lブルウ・アンカア・ライン側の明細な注文に従って作られたのだ。双推進機式、船首船尾に三層の装鋼甲板、排水量一万六千八百噸、前に言った通りに、無電の装備がないだけで、万事に近代科学の精を集めた当時の最新船である。