Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
しがつばか
世相・競馬
織田 作之助
Lesen Sie 世相・競馬 (しがつばか) von 織田 作之助 (おださくのすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 19.112 Zeichen · 39 Bildschirme
乗物は二等より三等を愛し、活動写真は割引時間になってから見た。料亭よりも小料理屋やおでん屋が好きで、労働者と一緒に一膳めし屋で酒を飲んだりした。木賃宿へも平気で泊った。どんなに汚ないお女郎屋へも泊った。いや、わざと汚ない楼をえらんで、登楼した。そして、自分を汚なくしながら、自虐的な快感を味わっているようだった。
しかし、彼とても人並みに清潔に憧れないわけではない。たとえば、銭湯が好きだった。町を歩いていて銭湯がみつかると、行き当りばったりに飛び込んで、貸手拭で汗やあぶらや垢を流してさっぱりするのが好きだった。だから一日に二度も三度も銭湯へ飛び込んだりする。そういう点では綺麗好きだった。もっとも、潔癖症やプチブル趣味の人たちは銭湯は不潔だというだろう。綺麗好きが銭湯好きにはならないと笑うだろう。つまり彼の銭湯好きは銭湯が庶民的だからだと、言い直した方がよさそうだ。浮世風呂としての銭湯を愛しているのかも知れない。ところが、それほど銭湯好きの彼が何かの拍子に、ふと物臭さの惰性にとりつかれると、もう十日も二十日も入浴しなくなる。からだを動かすとプンといやな臭いがするくらい、異様に垢じみて来るのだが、存外苦にしない。