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Japanische Klassiker mit Furigana

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ちょうさきかん

中井正一評論集

中井 正一

Lesen Sie 中井正一評論集 (ちょうさきかん) von 中井 正一 (なかいまさかず) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 129.229 Zeichen · 256 Bildschirme

Aozora Bunko

というのである。ところが、なかなかその松を吹くあの美しい風の音が彼の胸中に湧いてこない。そしてついに将軍の機嫌をすっかり損ってしまったのであった。

この芸術家は、二つの意味で、可哀そうである。二つの意味で、自由を求めているのである。一つは、自分の中に、いつも自信まんまんとやれる「あの自分」が、自分の中でめぐりあえないのである。探しても、呼んでも、現われてくれないのである。その意味で可哀そうな、自由を失った人なのである。

第二の意味では、彼は、その自分を、思ういっぱい探し求める自由な社会に生きていないのである。自分が食べるためには、また自分の舞に、鼓をうったり、太鼓をうったりしてくれる多くの人々と、その家族を食べさせるには、芸術としては、忍ぶべからざる恥をも、忍ばなければならないようなことが起るのである。馬鹿馬鹿しいと思うようなこともしなければならない。ここに第二の不自由と、気の毒さがあるのである。

せんだって、ある音楽家に、国会図書館で、ヴァイオリンを弾いてもらった時「ちょうど、出演する十分前に館に着くように車を寄こしてくれないか」と、その音楽家のお母さんがいわれるのである。