Japanische Klassiker mit Furigana
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なかざとかいざんの『だいぼさつとうげ』
中里介山の『大菩薩峠』
三田村 鳶魚
Lesen Sie 中里介山の『大菩薩峠』 (なかざとかいざんの『だいぼさつとうげ』) von 三田村 鳶魚 (みたむらえんぎょ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.523 Zeichen · 27 Bildschirme
構えをみただけでも、これはどのくらいの腕前がある、ということがわからなければならない。それを見てわからないとすれば、島田虎之助はえらい剣客でも何でもないわけだ。
一〇三頁になると、お松という女が、例の山岡屋へ買物に来ていた、花の師匠か何かのところに世話になっていて、四谷伝馬町の神尾という旗本の屋敷へ、奉公に出る話が書いてある。この四谷伝馬町はどういう町であったかというと、これは市街地で、武家地ではない。武家地でないのだから、大きな大名でありませんでも、旗本衆の屋敷でもそういうところにあるはずがない。これは決してあるを得ないことです。
例の花の師匠のような女は、この神尾の先代の寵愛を受けたお妾だったので、今は暇を取って、町に住っている。「院号や何かで通るよりも本名のお絹が当人の柄に合ひます」と書いてあるが、大抵な旗本衆は、先代の妾なんぞは、相当な手当をやって暇を出すのが当り前です。この女は髪を切っていますけれども、院号などを呼ばれるというのは、旗本の妾でありましたならば、当主を産んだ人でなければ、そんなことはない。通りがいいから本名のお絹でいるんじゃない、旗本の妾で、女の子や次三男を産んだのでは、みんなそういうふうになるのです。