Japanische Klassiker mit Furigana
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くぼたべいさいくんのおもいで
久保田米斎君の思い出
岡本 綺堂
Lesen Sie 久保田米斎君の思い出 (くぼたべいさいくんのおもいで) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 8.435 Zeichen · 17 Bildschirme
近頃の見物はなかなかやかましくなって、彼処で富士が見えるはずはないと、いうような理窟をいい出されるから、時によると夜行の汽車で現場を見に行かなければならないような事も出来て来る。それに道具を拵える暇がありますから、十日というけれども、せいぜい三日か四日で片附けて、あとはそういう方の暇を見てやらなければならない。博物館へ行って調べるとか誰のうちへ何を見に行くとかいう事を、その短い時間でやらなければならないから、忙しい時にはつい徹夜をするという事にもなります。舞台装置をやるには、一場一場の画をかいてやらなければいけない。それだけでもいい加減骨が折れるのに、衣裳も新規のものだと大体の形を画いて著物の模様までつけてやる。その見本によって衣裳屋が拵えるので、それも一人や二人じゃない、大勢出て来る連中のを皆画いてやるのだから大変です。道具の方の世話も焼いて指図しなければならず、初日に行って見て、どうもあの松の木が小さくて工合が悪いと思えば、直にそれを直す。二日三日位までは毎日行って見る。これにも半日位は潰れます。役者と作者との間に立って、一番暇潰しで、しかも縁の下の力持になる。