Japanische Klassiker mit Furigana
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いきりょう
久生十蘭ジュラネスク 珠玉傑作集
久生 十蘭
Lesen Sie 久生十蘭ジュラネスク 珠玉傑作集 (いきりょう) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 20.698 Zeichen · 42 Bildschirme
「あのひとは、花や、虹や、小鳥や、小川などの美しさにあまり感動し過ぎるようです。主よりも花や小鳥を愛し過ぎるというのはやはり困ったことにちがいないのです。ベルナアルさんが、子供のような純真なこころを持っているとしてもね、どうも、そんな風では……」
そして、静かな声でベルナアルさんの名を呼んだ。
その時のベルナアルさんの顔といったらなかった。悪戯を見つけられた子供のような、今にも泣き出しそうな顔で首を垂れてしまった。
ベルナアルさんの顔を見て笑い出さずにすまされるひとはこの世にいくにんもいないのにちがいない。
ずんぐりと肥った、巾の広い切株のような肩の上に、夏の夕月のような赤い丸い顔が載ってい、その顔の真中に象のような小さな眼と、水兵帽の丸房のような、よく熟した赤い丸い鼻がチョコンとついている。
頭のてっぺんを丸く中剃りしていることはほかの修士たちと変りはないが、ベルナアルさんの場合は、まわりの毛が棉の木についている棉花のようなフワフワした和毛なので、ちょうど孵ったばかりの烏の子供の頭のようだ。
それに、歩く恰好ときたら!
鵞鳥が水溜りからあがって来たように、お尻を左右に振りながら両脚をうんと踏みひらいてヨチヨチと歩く。