Japanische Klassiker mit Furigana
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いきりょう
久生十蘭ジュラネスク 珠玉傑作集
久生 十蘭
Lesen Sie 久生十蘭ジュラネスク 珠玉傑作集 (いきりょう) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 20.698 Zeichen · 42 Bildschirme
それはまだよかったのですが、ベルナアルさんのつまらないおしゃべりが私の両親をすっかり怒らせてしまいました。……ある日、ベルナアルさんは葡萄酒に酔って上機嫌になったすえ、こんなことを口走ったのですの。『ねえ、みなさん、わたくしがこの犬をどんなに愛しているか、恐らくお察しにはなれますまいね。この悧口そうな眼を見てやってください。それからこの口髭。ガベラの花弁のような優しい耳の垂れぐあい、白粉刷毛のようなちっちゃな前肢。ふんわりした額の巻毛。ピンとおっ立ったあの可愛らしい尻ッ尾。……ああ、なんという魅わしさでしょう。……とりわけ、わたしをうっとりさせるのは、これがお嬢さまの眼差とそっくりだということです! なんという素晴らしい相似! それに、こいつは、たいへん悧口なんです。ひとつ、チンチンをさせてお眼にかけましょうか? それとも、お廻りをさせましょうか? 伏せをさせましょうか? お嬢さまが聡明でいらっしゃるように、こいつも充分みごとにやってのけますよ』『おやめなさい、ベルナアルさん、もう結構です』と父は叫びました。『あなたはもう二度と娘のところへ来ていただきたくはありません』