Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ここのつのかぎ

九つの鍵

野村 胡堂

Lesen Sie 九つの鍵 (ここのつのかぎ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 21.349 Zeichen · 42 Bildschirme

Aozora Bunko

こう書いて、画鋲で窓へはり出したのです。

「悪者共は、望遠鏡か何んかで、どっからか見ているんだろう」

「ところで、その九つの鍵はどこにあるだろう、こうなると一刻――いや一分一秒を争う競争だが」

誠一は相変らず張り切ります。

「待ち給え誠ちゃん、巨億の富も大事には違いないが、ぼくにとっても、妹の愛子の命がもっともっと大事なのだ」

狩屋三郎はそんな事を考えているのでした。天才ピアニストで、天使のようにかわいらしい愛子、――その命は兄の三郎にとっては、世界の富全部よりも貴いのでした。

「その通りだ、愛ちゃんの命は、どんな事をしても助けなきゃならない」

照国の誠一も、愛子の命の尊さは、兄の三郎以上に感じております。

「愛子は、あるビルディングの中で姿を隠してしまった、ぼくはもう一度あのビルディングを研究する必要があると思う」

三郎はようやくその冷静な思考力を取りもどしました。

「行こうや、ぼくが案内するぜ、あのビルディングのことなら、ネズミの穴一つだって、ぼくの知らないものはないんだ」

馬吉少年は飛び上ります。

こうして狩屋三郎の一行四人は、もう一度ビルディングに引返すことになったのです。