Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ここのつのかぎ

九つの鍵

野村 胡堂

Lesen Sie 九つの鍵 (ここのつのかぎ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 21.349 Zeichen · 42 Bildschirme

Aozora Bunko

「ありがとう、そう言ってくれるとほんとうに心強いよ、ぼくは一晩悩み抜いて何んとなくこうボーットしたような心もちなのだ」「そうだろうとも、無理もないよ。ところで、仕事を始めるなら、一分間でも早いほうがいい、先ず、ぼくの気のついた事から話してみようか」

「そうしてくれ」

狩屋三郎は誠一と向い合って、その先を促しました。狩屋三郎は五尺七寸のみごとな体格ですが、ラグビーの選手だけに筋肉質で、ギリシャ彫刻のアポロのように端麗な青年、大学で数学を専攻しているので、頭の良さも無類と言われております。

それに対して植野誠一は、背は高くありませんが、照国のように肥って、色白で愛嬌者で、いつでもニコニコしている気のいい青年です。年は三郎より一つ下の十九、大学では文学を専攻しておりますが、頭のいいことは決して狩屋三郎に劣りません。

「先ずゆうべ愛ちゃんが、屋上に釣り上げられた時、入口のドアはたしかに閉っていたと言ったね」

「まちがいはないよ、表も裏も厳重に閉っていて、人がはいったようすも出たようすもないよ、ことに裏の入口などは、扉の内外に建築材料が一パイ積んであって、それを片づけなければ扉は開けることもできなかったのだ」