Japanische Klassiker mit Furigana
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こじきがくせい
乞食学生
Lesen Sie 乞食学生 (こじきがくせい) von Dazai Osamu (太宰 治) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 33.682 Zeichen · 68 Bildschirme
見たまえ。僕のおなかの、ここんとこに君の下駄の跡が、くっきり附いてるじゃないか。君が、ここんとこを、踏んづけて行ったのだぞ。見たまえ。」
「見たくない。けがらわしい。早く着物を着たらどうだ。君は、子供でもないじゃないか。失敬なやつだ。」
少年は素早くズボンをはき、立ち上って、
「君は、この公園の番人かい?」
私は、聞えない振りをした。あまりの愚問である。少年は白い歯を出して笑い、
「何も、そんなに怒ること無いじゃないか。」
と落ちついた口調で言い、ズボンのポケットに両手をつっ込み、ぶらぶら私のほうへ歩み寄って来た。裸体の右肩に、桜の花弁が一つ、へばりついている。
「あぶないんだ。この川は。泳いじゃ、いけない。」私は、やはり同じ言葉を、けれども前よりはずっと低く、ほとんど呟くようにして言った。「人喰い川、と言われているのだ。それに、この川の水は、東京市の水道に使用されているんだ。清浄にして置かなくちゃ、いけない。」
「知ってるよ、そんなこと。」少年は、すこし卑屈な笑いを鼻の両側に浮かべた。近くで見ると、よほどとしとった顔である。鼻が高くとがって、ちょっと上を向いている。