Japanische Klassiker mit Furigana
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らんせい
乱世
菊池 寛
Lesen Sie 乱世 (らんせい) von 菊池 寛 (きくちかん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 3.477 Zeichen · 7 Bildschirme
なんらの後立もなく、留守居の小勢で血戦したところで、一揉みに揉み潰されるのは、決っている。
死守説は少数で、すぐ敗れた。その後で、議論は東下論と恭順論との二つに分かれた。東下論は硬論であり、恭順論は軟論であった。
家老の酒井孫八郎や、軍事奉行、杉山弘枝は、東下論を主張した。彼らの主張はこうであった。城を守って一戦することは華々しいことであるが、この小勢では一日も支えがたい。が、それかといって、藩主定敬公がまだ恭順を表されない前に、城を出でて官軍に降るということは、相伝の主君に対して不忠である。従って、我々の採る道は、今の場合一つしかない。それは、城をいったん敵に渡して、関東に下り、藩主越中守の指揮に従い、幕軍と協力して、敵に当るより外はないというのだった。
それに対して、政治奉行の小森九右衛門、山本主馬などが恭順論を主張した。彼らは天下の大勢を説き、順逆の名分を力説して、この際一日も早く朝威に帰順するのが得策であるというのであった。
恭順東下の議論は、二日にわたって決しなかった。そのうちに、鎮撫使の橋本少将、柳原侍従が、有栖川宮の先発として、京師を発したという知らせが早くも伝わった。