Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ちちをさす

乳を刺す

邦枝 完二

Lesen Sie 乳を刺す (ちちをさす) von 邦枝 完二 (くにえだかんじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 17.474 Zeichen · 35 Bildschirme

Aozora Bunko

素人に限って、あわてて、そんなドジを踏むんた。おめえ、夢中ンなって、逃げ出したに違えあるめえ」

「恐れ入りました」

「うぬ、御用だッ」

竹道が頭の上から一喝した。

「あ、お待ち下さいまし……」

冷水でも浴びせられたように、震え上がった平太郎は、思わず伝七を拝んだ。

「竹、待ちねえ。平太郎、おめえ何かいいてえことがあるのか」

「へい。……お由利さんの所へ、忍び込みましたのは、わたくしに相違ございませんが、その時にはもうお由利さんは、死んで居たのでございます……」

「平太郎。口から出まかせをいうと、反っておめえの、お咎めが重くなるぜ」

伝七は鋭くきめつけた。

「いいえ、決して親分さんに、嘘は申しません。ゆうべお由利さんが、お客様を送って、帰ってまいりましてから、小父さんや小母さんに、わたしも加わりまして、四方山話をいたしました」

「うむ」

「小父さんも小母さんも、口を揃えて、近いうちに祝言をするようにと、勧めてくれますのに、お由利さんは、うんとは申しません。そればかりでなく、来年三月は、いろいろ都合があって、袖ノ井さんと、宿退りをしない約束をしてあるから、今度帰ってくるのは、来年の今ごろになるだろうなどと申しました」