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Japanische Klassiker mit Furigana

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かんぱい

乾杯

豊島 与志雄

Lesen Sie 乾杯 (かんぱい) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 8.788 Zeichen · 18 Bildschirme

Aozora Bunko

それでも、決意に似た感慨は、深くそして痛く、ともすると彼はよろけそうになりました。

新らしい某政党の若い総務の本間利行が、帰りぎわに、彼をちょっと物蔭に呼びました。

「あなたもぜひ、党で大いに働いて貰わねばなりません。自重して下さい。それから、ミガキ鋼板のことは、万事承知していますから、御安心願います。」

囁いたまま、返事も待たず、玄関の方へ出て行きました。

それを見送るのに、山川正太郎は苦痛を感じました。そして玄関から引返すと、ベランダの椅子に腰を据え、柿酒の瓶を引きつけ、酔態を意識的に装って、もう誰の見送りにも立とうとしませんでした。

後れて辞し去る上原稔を、彼は呼びとめました。

「君はまだいいよ。も少し飲もう。」

上原稔はちょっと躊躇しましたが、腰を下しました。

二人は黙っていました。上原稔は山川正太郎の眼を見ました。山川正太郎も、相手の眼を見返しました。それから視線は分れました。やがてまた視線が合いました。

「飲み給えよ。」と山川正太郎は言いました。

上原稔もグラスを手にしました。

そして、飲んでいるうちに、何か光に似たものが、山川正太郎の頭に浮びました。