Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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にせんねんせんそう

二、〇〇〇年戦争

海野 十三

Lesen Sie 二、〇〇〇年戦争 (にせんねんせんそう) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 34.367 Zeichen · 69 Bildschirme

Aozora Bunko

「ああ、そうだったか。イネ国滅亡の日か。すると、われわれの脈搏にも、今日ばかりはなにかしら、人間くさい涙が、胸の底からこみあげてくるというわけだね」

「ふふん、国破れて山河あり、城春にして草木深しというわけだ。だが、そんなことをいつまでも胸の中においていると、また督働委員から、ひどい目にあうぜ。さあ、なにも考えないであの音楽のしているところへ、いってみよう」

「ああ、そうしよう。現在、われわれ旧イネ国の亡民には、人間味なんて、むしろ無い方が、生活しよいのだ。一匹の甲虫が、大きな岩に押し潰されりゃ、もうどうすることも出来ないのだからな、アカグマ国はその大きな岩でわれわれの祖国イネ国は、所詮甲虫にしか過ぎなかったんだ」

「もう、なんにもいうな。さあ、いこうぜ。皆も、あのとおり、街を急いでいらあ。こんなゆっくりした休日なんて、われわれのうえにもう二度と来るかどうか、わからないのだ」

「よせやい。なんにもいうなというお前が、その口の下から、愚痴をこぼしているじゃないか。身勝手な奴だ」

「ふん、その身勝手という奴が、イネ国を亡ぼしたようなものだ。ああ」

二人は祝勝会場の前へと流れゆく群衆の中に、まぎれこんでしまった。